編集部日記

小児科の先生に聞きました!〈特典教材監修・宮野孝一先生〉―『2〜4歳はじめてのおけいこ 特別限定版』編集部日記⑤

『2〜4歳はじめてのおけいこ 特別限定版』の制作秘話を、全6回で公開します。(編集部日記④「長く使ってもらえるポスターに」はこちら)

今回は、特典教材の監修をお願いした小児科の先生のもとに、編集長Kが取材に伺いました。


※『2〜4歳はじめてのおけいこ 特別限定版』 <2018年3月22日発売>
学研の幼児ワークの創刊1周年を記念して企画された商品。「2~4歳 はじめてのおけいこ」本誌に、発達に応じたステップで「鉛筆デビュー」をサポートする6大特典(クレヨン(3色)/あいうえおポスター/三角太えんぴつ/えんぴつ削り/えんぴつ用補助グリップ/六角えんぴつ)付きの特別セット。(価格本体660円+税)
詳細はこちら(学研の幼児ワーク公式サイト「2~4歳 はじめてのおけいこ 特別限定版」商品紹介ページへ)

 


「未熟」は言いすぎ?

東京に大雪が降った次の日、編集長Kは、診療時間が終わる頃に東京都江戸川区の「みやのこどもクリニック」を訪ねました。小児科なのに子連れではない&大荷物の私を見て、看護師さんが「学研さんですね、お待ちしてました」とすぐ中に通してくれます。

実際にお会いするのは初めての宮野孝一先生、「どうも~」と優しい笑顔で登場です。壁にぎっしり貼り出されたお子さんたちの絵も、ほっと落ち着ける雰囲気。

早速、商品パッケージ(箱)の見本、原稿と教材のダミーを並べ、先生に見ていただきます。

先生:「ステップ1の『指先の発達』のところね、発達が未熟で~というのはちょっと言いすぎかと思うんですよね。」

 

編集部(以下、編):先にお送りしたパッケージの裏側の教材説明のところですね。【指先の発達が未熟で、十分な握力がない】と書いていましたが、これだと言いすぎということでしょうか?

先生「10か月前後で指でつまむ、上にのせるという動きができてくるし、1歳半検診でも、『積み木を3個以上積む』と項目にありますからね。2歳くらいを対象とすると、早い子は、指先を器用に動かせたりしますからね。」

:では、【指先の発達が十分ではなく、握力が弱い】という表現に変更したいと思います。「ステップ2」「ステップ3」の原稿はいかがでしょうか…?

 

先生:「あ、その後の部分はね、いいと思ったんですよね。問題ないでしょう。」

:「よかった~安心しました! なんと言っても、教材のポイントになる部分ですから。ここが崩れると、かなり大きな方向転換になるところでした。」

少しほっとしているところ、教材の内容について次々チェックが入ります。(すみません、まだサンプル段階ですがこんな感じです。。。)鉛筆削りの形、グリップなど、サンプルで形状を確認してもらい、教材監修は最終的に「問題なし」でした。

発達の違いは「個性」

そしてここからが肝心な部分です。

:「最近は小さいうちから鉛筆を持たせたい、というご家庭が増えているようですが、小児科の先生としてはどう思われますか?」

今回は「鉛筆デビュー」をうたっている商品ですから、もちろん「小さいお子さんでも鉛筆は使っていいですよ」と言っていただきたいところ。ですが、「あまりおすすめしない」「無理に持たせなくて良い」というお考えの先生も当然いらっしゃると思うのです…。

 

先生:「お子さんによって発達はそれぞれですからね。指先の発達が進んでいる子は1歳半でも上手に鉛筆を持てますよ。クレヨンにある程度慣れたお子さんなら、鉛筆に移行してもまったく問題ないです。」

:「なるほど、そう言っていただけると、非常に心強いです。」

先生:「発達の違いというのはね、『個性』なんです。たとえば、高いところからジャンプして飛び降りたり、大きな運動が得意な子というのはいる。逆に微細な動きが得意な子もいるんですね。得意なことは人それぞれで、早い遅いも当然ある。得意な子はどんどんやればいいし、不得意な子もあせらなくていいんですよ。

 

宮野先生、子育て中の皆さんの不安を軽くしてくださるお話、ありがとうございました!

楽しくないことはうまくできない

先生の言葉を聞いて思い出したのが、現在高校生の娘が幼い頃の、トイレトレーニングのこと。

3歳になる前の春先から、保育園でおむつをはずす練習をスタートしました。が、娘よりも生まれ月の遅いお友だちが次々と「おむつ卒業」していく中、いつまでたってもトイレで用をたすことができず、ついに冬を迎えてしまいました。

「今度は○○ちゃんに先を越された」…口では言わないようにしていたのですが、母のあせりを感じてか、娘は家でトイレに誘っても、いやがるようにさえなっていました。

「発達の違いは個性」…当時そう考えてドーンと構えていたら、もっと心穏やかにかわいい3歳の日々をもっと楽しめたかもしれません。結局、できるようになったのは12月の終わりで、なんと9か月近くもトイレのことばかり考えて暮らしていたんですね。

 

たまたまタイミングよく成功した横浜中華街のトイレ(!)で大いに娘をほめまくったことは、今でも覚えています…。ほめられて自信を持ったのか、その後ほとんど失敗することもなく、娘のトイレトレーニングは突然完了したのでした。

 

他の子との発達の違いばかり気にしていた至らない母ですが、「親のあせりや無理に何かさせようとする気持ちを、子は敏感に感じ取り、やる気がしぼんでいく」ということは身を持って実感しました。幼児期、「楽しんでできないこと」は「やりたくないこと」、そして「やらなくていいこと」なのかもしれません。

 


 

「それぞれの個性に合わせ、できるところからスタートして、楽しく親子で取り組んでください」という意味で、今回の商品には3種類の筆記具をつけています。教材にりんごちゃんのキャラクターを入れたのは、「楽しさ」のお手伝いができるように、という気持ちからです。

 

鉛筆を正しく持つことは大事ですが、まずはかわいいお子さんとの日々を楽しく豊かに過ごすことを最優先に、「はじめてのおけいこ」をスタートしていただければと思っています。
 

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 編集部日記⑥ 見本誌ができました……!

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