知育ミニ情報

~文字に親しみ、世界を広げる~ 『最新版 ひらがなが大好きになる育て方』

いまや多くの家庭が小学校入学前にひらがなの学習を始め、読み書きができるようになる時期は、年々早まっているようです。
少子化によって、幼児教育への注目度がアップしている影響もあるのかもしれません。
早い子は2歳くらいでひらがなを覚え始めているようです。
では、まだひらがなに興味のない子どもには、どのように関わったらいいのでしょうか。
(監修:横山洋子 千葉経済大学短期大学部こども学科教授)

なぜひらがなが大事なのか

「ひらがな」に親しむことは、幼児期の学びを広げます。「ひらがななんて入学後に一から教わればいい」という家庭は、今や少数派でしょう。
最近の調査(下の表参照)によれば、「ひらがなが読める」子どもは4歳で46%、5歳では68%。「ひらがなが書ける」のは5歳で43%に。

2、3歳頃から教え始める家庭も増えているようです。

幼児の日常生活・学習に関する調査】既に身につけていること(学習面)


学研教育総合研究所『幼児白書Web版 (2017年8月調査)』より

文字が読めると、世界は広がります。「絵本が読める」「看板が読める」ことで、今まで目にしていた記号のようなものが、突然意味をもつようになります。これは幼児にとって、日常生活が変わって見えるような、驚くべきこと。その上で、書いて人に伝えたり、メモに残して後から確認したりできるようになると、「文字って便利だな」と実感できるのです。
「読み書きができること」は、子どもの生活の中で、非常に大きな意味をもちます。世界を広げてくれる魔法のようなものなのです。

いつ、どうやって教える?

文字を教える時期は、子どもの発達によって違います。興味をもっているようなら、どんどん教えて問題ありません。ただし、あまり興味をもっていない時期に無理やり教えこむと、小学校入学後の勉強に対する意欲が低下することもあるので慎重に。
反復によって知識を蓄積する「学習」と、「知りたい」「理解したい」という自分の欲求から生まれる「学び」とでは、得られるものが違います。

「学び」とは「視座を上げる」(世界の見え方が変わる)ということ。「学習」は、小学校に入ってから系統的に積み上げるので、幼児期は楽しく文字に親しむことを重視するとよいでしょう。

教えどきはいつ?

●話せる単語が増えてきたら
1歳半検診の時点で話せる言葉の平均は、10語くらいと言われます。多くの子が「ママ」「パパ」「わんわん」「ねんね」「バイバイ」など、「1語文」といわれる意味のある単語を使えるように。
発達に個人差はあるものの、話せる言葉は2歳で300語と、爆発的に増加し、2歳半では500語、3歳では1000語を超えるほどになります。知っている言葉が増えると、当然ながら文字の理解度もアップ。言葉の獲得期は、ひらがなの読みを教えるのによい時期と言えます。

●「名まえ」に興味が出てきたら
身のまわりのものの「名まえ」に興味が出てきた子には、「これなあに?」と聞かれることが多くなります。そんなときに言葉と一緒に文字も見せると、どんどん吸収できる時期なのです。タイミングを逃さず示してみるとよいでしょう。

何を使って親しむ?

① 絵本
子どもが文字に親しむ、最初のきっかけは絵本かもしれません。同じ絵本を繰り返し読んでいると、その言葉を記憶し、言葉と対応する文字を自然に覚えるように。子どもの手の届くところにお気に入りの本を並べて、いつでも読めるようにしておくとよいでしょう。

② ひらがな表
清音46文字があいうえお順に並んだひらがな表。おもちゃ置き場やお風呂など、子どもの目につきやすいところに貼っておくと、ちょっとしたときに目にふれやすく、自然と文字に親しむことができるでしょう。

最初にひらがなを覚える入門期向けとしては、なるべく字が大きく、各文字(を使った言葉)に対応する絵が掲載されたものがよいでしょう。

③ かるた
ひらがなの「あ」と「あり」の絵のように、文字と絵が対応する「ひらがなかるた」。「大人は〇秒かぞえてから札を取る」など、家族で遊ぶルールを決めて、競争しながらかるた遊びをすると、楽しく覚えられます。

他にも、ひらがなが1文字ずつ書いてある積み木やカードを並べて意味のある言葉にする、「言葉づくり」ができる知育玩具なども、文字に親しむ遊びとしてよいでしょう。

④ ワーク、ドリル
知り得た情報を整理し、定着させるのがワークやドリルの役割です。覚えたものを自分で出力することで、脳が「大事なこと」と認識し、知識が定着すると言われています。

ワークやドリルで文字の形を確認したり、書いたりすることは、覚えるために必要な過程と言えます。

ひらがなのワークやドリルに取り組む際は、まず文字の形をしっかり認識することが大事。そして「ありの『あ』」のように、声に出すこともまた重要です。目で見て、声に出し、耳で聞いて、指でなぞる。さまざまな感覚を使うと、覚えやすくなります。

2歳くらいでは、まだ手指の発達が十分ではないので、1字1字指でなぞって覚えるのがよいでしょう。個人差はありますが、3、4歳頃にはクレヨン、鉛筆を使っての「なぞり書き」から、「大きいマスの中に自分で書く」段階へと進みます。

年齢が上がるにつれて、手指の器用さが増して、小さいマスの中にも書けるようになります。子どもがやりたいと思ったときに取り組めるようにしましょう。

ひらがなワーク・ドリルでNGなこと

×「毎日○ページ絶対やる」と決める
好きなことはいくらでもできて、好きではないことは飽きやすいのが幼児の特徴。やりたい気分ではないときに強制されると、「楽しくない」→「ひらがなが嫌い」→「意欲低下」となる可能性も。「1日に〇ページ絶対やる」などとガチガチに決めて、がんばらなくていいのです。幼児期は、取り組み方にムラがあっても問題はありません。

×  間違いを厳しく指摘する
幼児期にやってはいけないのは「間違いを厳しく指摘する」こと。「はね、はらいができていない」「左右のバランスがおかしい」など、細かい部分を一つ一つ指摘すると子どもはいやになってしまいます。まずは取り組めたことを大いにほめてあげましょう。
「しっかりした線で書けたね」「ここの形がとてもいいね」などと、「できていることをほめる」スタンスで、大らかに導くのがよいでしょう。幼児期に一番大切なのは、「書くことが好きになる」ことなのです。

×  書くことを急ぐ
書くことだけをあまり一生懸命にやりすぎると、「もう知っているから」と、入学後に教わることを吸収できなくなる恐れがあります。
まずは読む楽しさを知ることが、言葉の育ちにつながります。
小学校入学前に、自分の名まえが書ければ問題ありません。子どもの興味に応じて進めるやり方でいいでしょう。

楽しくひらがなを覚えるためのヒント3

1.子どもの集中力は10分と心得る
あまりよくばらずに「10分でできることだけをやる」と割り切ると、親子ともにストレスを感じずに続けられるものです。やる気がない日は無理にがんばらなくていいのです。

逆に、楽しく集中できているときは「好きなだけやらせる」というスタンスでよいでしょう。あまりよくばらず、1文字でも集中して書けたらよし、と思うことです。

2.遊びの中でアレンジする
ワーク・ドリルや知育玩具を使うだけではなく、時にはお子さんの好みに合わせてアレンジしてみても。「好きなくだものの絵と名まえを紙に書いて、お買い物ごっこをする」、「散歩しながら、看板やポスターの知っている文字を見つけて読み上げる」など、遊びの中で学んでいけるとよいでしょう。

3.文字に親しめる環境作り
家庭での環境作りも大事なことです。絵本や図鑑、知育玩具など、子どもが興味をもちやすいものが手の届くところにあると、やはり知的好奇心が育ちます。
同時に、おうちのかたの姿勢も、子どもにはしっかり伝わります。忙しい日々の中でも、お子さんと一緒に本を読んだり、ちょっとしたお礼状を書く姿を見せたりするだけでもいいのです。大人も一緒に、できるだけ文字に親しむ環境を作りたいものですね。

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