知育ミニ情報

入学前に「お金の教育」してる? どこまで教えたらいい?

「ランドセル購入のピークは入学前年の8月」という調査もあるように http://www.stat.go.jp/data/kakei/family/pdf/03.pdf ※(統計局『家計から分かる暮らしの特徴』)

夏に入学準備を始めるご家庭が年々増えています。

 

そんな中、子どもに入学前に知っておいて欲しいことのひとつとして、『お金のこと』をあげる保護者も少なくないようです。

 

クレジットカードや電子マネーでの決済が当たり前になり、あらゆるものがネット通販で買える今。じわじわとキャッシュレス化が進んで、子どもが硬貨やお札にふれる機会は確実に減ってきていると言えるでしょう。

まだ社会の仕組みを十分知らない子どもに、「目に見えないお金の動き」を教えるのは難しいものです。生活する上で、なくてはならないお金のこと、どうやって教えたらいいのでしょう。

 

お金を知らない子どもたち

 

「お店屋さんごっこ」は人気だけれど…

 

家庭でも園においても、幼児期の遊びでは「お店屋さんごっこ」が大人気。おもちゃのお金やカード、クーポン券風の紙が、「店員」と「客」との間で飛び交います。実際のお店での大人のやりとりを見て、「品物を受け取ったら何かと交換するらしい」ということは、2、3歳の子でもちゃんとわかっているようです。

 

一方で、編集部が2~6歳のお子さんをもつ親御さんに、『お金』についてお伺いしたところ、こんな声が寄せられました。

 

「お買い物ごっこにつきあって、なにげなく『10万円!』と言ったところ、おもちゃの1万円札1枚と10円玉が出てきて、『わかっていないんだな』ということに気づきました。」(5歳女の子の保護者)

「お店で『これ買って!』と子どもにせがまれたときに、『お金ないよ~』と言ったら、『ここにあるでしょ!』とクレジットカードを指さされて。確かにカードはそこにあるけれど、口座にお金がなかったら使えないもの、ということはわかっていない様子。来年から小学生になるので、どう教えるべきか迷います。」(6歳男の子の保護者)

 

小学生の半数が「決まった額のおこづかいをもらっていない 

 

小学生になると親と離れて行動する機会も増え、ぐっと行動範囲が広がります。調査を見ると「決まった額のおこづかいをもらっていない」子どもは「小学校1~6年生で見ても、全体の過半数を占めるようです。

https://www.gakken.co.jp/kyouikusouken/whitepaper/201708/chapter4/07.html

(学研教育総合研究所『小学生白書Web版(2017年8月調査)』より。

おこづかいの使い道の1位は「お菓子などの食べ物」(44.1%)、次いで「貯金」(42.0%)、「おもちゃ」(27.9%)の順。

 

定額のおこづかいを渡していない家庭では、「必要なときにお金を渡す」ことが多いようです。合理的なようにも思えますが、おこづかいとして「決まった額のお金を自分で管理する」経験値が上がりにくいとも言えます。

 

実際、小学校低学年の子がお年玉を持って一人でお店に行き、お菓子や雑貨などで数万円もの「爆買い」をして友だちに配ったり、中高生がコンビニでの支払いの際に、ちょうどの小銭を出せず、財布に硬貨がぎっしり!…というような話も珍しくはありません。お金の使い方、払い方を理解していないからです。

 

将来どうなるかはわかりませんが、カード支払が主で、現金はほとんど使用しないという国も増えていて、日本でもいずれは、現金を使う機会がなくなるかもしれません。しかし、子どもたちにとっては、硬貨やお札といった「形のある」現金が、金額の大小や価値を理解するのに有効なのです。

 

幼少期からの金銭教育は、キャッシュレス化が進む現代でも、変わらず必要なことと言えるでしょう。

 

お金の上手な教え方って?

 

足りるか足りないか、わかることが大事

 

では、就学前の子どもたちに、どのようにお金のことを教えていけばいいのでしょうか。

 

「おつりの計算はまだできなくてもいい、足りるか足りないか、わかることが大事。」と言われるのは、千葉経済大学短期大学部の横山洋子先生。

横山洋子:千葉経済大学短期大学部こども学科教授。国立大学附属幼稚園、公立小学校勤務ののち現職。

 

横山先生曰く、この時期に身につけたいこととして、①お金の種類・大小 ②「(ここにあるお金が)全部でいくら」という認識 の2点がポイントだそうです。

 

① お金の種類・大小

硬貨やお札、それぞれの種類が判別でき、比べたときにどちらが大きい金額か答えられるように。おもちゃのお金など、目で見てわかりやすいものを使って教えるとよい。

 

② 「(ここにあるお金が)全部でいくら」という認識

「○十円」など、目の前にあるお金の金額がわかること。「金額がわかる」ということは、数や計算を身近に感じることにつながる。ごっこ遊びや簡単なおつかいなど、「お金に親しむ」「お金を使う」経験値を増やしていくとよい。

※ただし一、十、百、千、万…という「位取り」は十進法の理解も必要なので難しいため(1000までの数は小学2年生の学習内容)、少額のお金がわかればOK。

 

 買い物で経験値を増やす

 

「お金は何でも買える便利なもの、ないと生活できない大事なもの。だからお財布に入れて大切にするんだよ、ということをぜひ伝えてほしいですね。」と横山先生。

スーパーで食品の値段を見て、「今日は安いね。」と話したり、同じような商品の値段を比較したり。「子どもに金銭教育を」とことさら構えなくても、日常的にできることはたくさんあるのだそうです。

 

 

「それから、何が何でも安いものがいいということではありません。

お店で買い物をする際に、『これは○○円で安い、こっちは○○円で高いけれど品質がいい、だから今日はこれを買うよ。』などと、お金の使い方として大事なのは金額の大小だけではない、ということもぜひ伝えたい部分です。

 

金額については各家庭によって価値観が違うと思うので、『なぜこれを買うのか』『なぜ今買わないのか』など、おうちのかたの考え方をふだんからお子さんに示していけるといいですね。」

 

横山先生は、小学校教諭として教えた経験から、「子どもにとっての学びとは、実体験の積み重ね」と感じるそうです。「おこづかいやお年玉でもらったお金を、使わずにじっとためているというお子さんも最近は珍しくありませんね。でも、お金は使ってこそ意味があるもの。有意義な使い方をたくさん経験してほしい。お子さんが将来的にお金を生かして上手に使えるように、『むやみには使わない、大切に使う』ということを、おうちのかたが生活の場面ごとにお手本を見せてあげられるといいですね。」

 

幼児におすすめ! 『おかねのれんしゅうちょう』

 

小さいお子さんに教えるには、カードやシールを使ってお金のことを学べるワークもおすすめです。

 

「お金の使い方と計算がわかる!  おかねのれんしゅうちょう」案・構成:加藤信己/学研プラス ¥750(税別) 本文80ページ/おかねカード(コイン・おさつ)84枚、シールつき

(本文内容)

・お金の種類(おかねの なまえ/ならべて みよう)

・両替(おなじ きんがくに しよう)

・大小比較(どちらが おおきいかな)

・お金の計算(いくらかな/あわせて いくら/おつりは いくら)

・お金パズル(迷路、絵さがし)ほか

 

この本では、硬貨やお札の基本的な知識を学び、お金に関するさまざまな問題に取り組みます。

付属の「おかねカード」やお金の「おけいこシール」を使うことで、遊びながらくり返し取り組めるので、入学前~小学校低学年の時期、親子で楽しく学べる1冊になっています。

 

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