育児ミニ情報

視力低下を防ぐ4つの習慣~眼科医に聞いた、子どもの視力の守り方~

平成30年度の学校保健統計調査によると、小学生の34.1%の裸眼視力が1.0未満で、9.28%の子は0.3未満であるという過去最高の値が出ています。

視力が下がってしまうと、生活や勉強などで支障が出てきてしまいます。子どもの健康を守るためにも、子どもの視力についてよく知っておきたいですね。
目が悪くなってしまう原因や気をつけなければいけないことなどについて、山本央子先生にお話しをうかがいました。

お話/大森海岸やまもと眼科内科  院長 山本央子

視力が低下する原因って?

目の調節力の低下が大きく考えられます。

  • 人は、目の筋肉の力でピント調節をしています。
  • 手元を見ている時間が長いほど、目の筋肉が近くを見ることに慣れてしまい、遠方を見るための調節力がだんだんと低下してしまいます。
  • スマートフォンやテレビなど、目に近い場所での作業を繰り返してばかりいると、「遠くを見る」筋肉が衰えてしまうのです。

今からできる視力低下を防ぐ4つの習慣

①時間を区切り、適度な休憩をとる
  • 長時間、目を酷使してしまうと、目の調節力の低下につながってしまいます。
    テレビやゲームなどの時間を決め、目を使った後は目を休ませてあげてください。
②意識的に姿勢を正す
  • 子どもは熱中してしまうと、つい本や画面に目を近づけ過ぎたり、背中が丸まってしまったりしがちです。
    対象物との正しい距離や正しい姿勢を保つために、積極的に声をかけるようにしましょう。
  • 絵本を読むなら、目と本の距離を30センチくらいは離しましょう。
  • テレビを見るときは、真正面にテレビがある高さに座り、少なくとも1メートル以上は離れましょう。
定期的に遠くを見る
  • 遠くを見ることによって、近くを見ていた目の筋肉をほぐすことができます。
    休憩に外に遊びに行き、「遠くのお友だちの顔、見える?」「あそこの鳥さん、何羽いる?」などと、意識的に遠くを見るよう声をかけましょう。
  • 人肌程度のタオルで目を温めると、筋肉の緊張を和らげることもできますよ。
④目によい食べ物を食べる

目の健康に役立つ栄養素はさまざまな食べ物に含まれています。

  • 眼病予防…ほうれんそう、パセリなど
  • 目の筋肉の疲労を防ぐ…大豆、ゴマ、豚肉、たらこ、玄米など
  • 眼精疲労改善…お茶、落花生、卵、アボカドなど
  • 粘膜を正常に保ち、目の機能を活発にする…牛乳、レバー、のり、さばなど

これらを毎日食べるのが難しくても、週や月ごとのスパンで考えて、日々の食事に取り入れてみてください。

見逃してはいけない視力低下の4つのサイン

①「対象物に近づいていく」
②「まばたきが多い」
③「よく目を細めている」
④「頻繁に目をこすっている」
  • これらは、見えていない物を無理に見ようとするためにあらわれやすい仕草です。
    「こんなことをしていたら必ず目が悪い」と断定はできませんが、原因の一つとして視力の低下も疑ってみてください。
  • 子どもは、見え方におかしな点があっても、自分の見え方が「おかしい」と気づくことができません。
    周りの大人がいちはやく気づき、ケアにつなげていくことが大切です。

眼科の受診は定期的に

早めのケアで損をすることはありません。何もなくても、受診したっていいんです。
  • 目は、他の器官に比べて後回しにされがちですが、そのために手遅れになってしまうことも少なくないのです。
  • まずは3歳児検診で、気になることがあれば眼科の受診をおすすめします。
  • 眼科選びも大切
    小さなお子さんの視力を正確に検査することは難しく、「検査はできないだろう」という思い込みから、受診が遅れてしまうというケースもあります。
    しかし「視能訓練士」という国家資格をもった眼科検査のプロであれば、どんなに小さなお子さんでもしっかりと検査することができます。

さいごに

生まれたばかりの頃は、視界がぼんやりしていますが、徐々に視界がはっきりと見えてきます。そして6歳くらいまでには、目の機能がほぼ完成します。
未発達の子どもの目は、大人よりも感受性が高く、目の調節力も柔軟です。

この大切な時期にこそ、お子さんの視力に異常はないか、目に負担がかかっていないか、ということにいち早く気づき、正しく物が見える健康な状態で過ごすことができるようにしたいですね。
目の調節力が高いうちならば、今後の視力低下を十分に予防できますし、物を正しく見ることができるよう回復させることが期待できます。

ご両親がお子さんの目の健康に心を配り、お子さんと一緒に目について考えることが、お子さん自身の健康への関心を育てることにもつながっていきます。将来のお子さんの目の健康のために、ぜひ意識して向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

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