育児ミニ情報

【失敗しないほめ方】~後からほめても遅い!  流行りの「ほめる子育て」の勘違いとは?

最近の子育ては「ほめて伸ばす」。小さいうちから自己肯定感を高め、主体的に行動できるようになるための育て方だと言われています。

でも、意外と難しい「ほめ方」。やみくもにほめまくっても子どもに響かないし、厳選したほめ言葉を…と思えば思うほど言葉が出なくなるし。

実践してみたくても、どうもうまくいかない。本当にこのほめ方でいいのか心配…など、「ほめる子育て」については疑問や不安がいっぱい。

そこで幼児教育ジャーナリストの西東桂子先生にお話を伺いました。

お話/西東桂子先生(幼児教育ジャーナリスト・元育児情報月刊誌編集長)

「ほめる」ことで自己肯定感の土台ができる

「ほめる」と、親子ともに笑顔になれますが、笑顔にとどまらず、子どもが自己肯定感を育めるような言葉がけをするよう心がけると、一層価値が増します。

「ありがとう、助かったわ」と言われれば「自分はママ(家族)の役に立てた」と感じ、「成長したね、お兄ちゃん(お姉ちゃん)になったね」と言われれば「自分はやればできる」と感じ、「大好きだよ」と言われれば「自分は愛されている、自分の居場所はこの家」と感じることができます。

  幼児期にこうした自己肯定感の土台をつくっておくと、いずれ様々な難しいこと、つらいことに立ち向かわなければならないときに、「自分ならきっと何とかできる、頑張れる」という気持ちをもつことができるのです。

ただし、子どもの行動をジャッジするようにほめ続け、子どもにとって「いつもいい子でいなくてはならない」という無言の圧力になっていないかどうかは気を付けたい点です。

年齢ごとにほめるポイントが違う

2~3歳(生活習慣などで何かできるようになったとき

1ステップずつほめて次のステップにつながるようにするとよいでしょう。たとえば服のボタンを一つ留められたら、「よくできたね。明日は二つ留められるかもしれないね」と意欲を引き出します。

4~5歳(人の気持ちを思いやれたときに)

「こういうことをすると相手が嫌がる」「うれしく思う」がわかるようになってきます。たとえば一人で寂しそうにしている子に「一緒に遊ぼう」と声をかけることができたら、「○○ちゃんの気持ちがよくわかったね、偉いね」と、相手の気持ちを思いやれたことをほめましょう。子どもは「これでいいんだ」と自信をもてます。

5~6歳(誘惑に負けなかったときに)

やっていいこと・いけないことがわかってきますが、「いけないことだけどやってみたい」という気持ちもまだまだあります。そんなときに誘惑に打ち勝って、自覚ある行動ができたときには、「なんて素敵なの」と、めいっぱいほめましょう。

これはNG! まずいほめ方4例

「上手だね!」「すごいね!」と、ほめ方がワンパターン

描いた絵や組み立てたブロックなどを「見て、見て」と言われたとき、いつも「上手だね」「すごいね」とワンパターンだと、子どもも〝自動的な返事〟に感じてしまい、うれしくありません。「本当は上手だと思っていないんだ」と感じてやる気を失くすだけでなく、「ぼく(わたし)のことに関心がないのかな」と委縮してしまうこともあります。 

「ありがとう。でも次は…」と、ほめた後に余計な一言がつく

おもちゃの片付けを頼み、遊んでいる最中だった子どもが頑張って片付けをしたとき、「ありがとう。でも次は言われる前にやってほしいな」、運動会のかけっこで1番になったとき、「よかったね、カッコよかったよ。次はスイミングで級を上げようね」などと、言わなくてもいい一言がついていませんか。子どもは余計な一言のほうが気になって、ほめられたとは思えません。

「ほら、~を忘れているよ」とほめるより前に注意する

たとえば食卓を拭いてくれたとき、「ほら、隅っこを拭き忘れているよ」などと注意や期待の言葉が先になるのもNGです。まずはほめるのが先。子どもは「せっかくお手伝いしたのに」と不満に思って、二度と手伝ってくれないかもしれません。

4歳くらいまでなら、ほめるだけにして、気になる隅っこは大人が拭けばいいことです。年齢が上がれば、ほめてから「隅っこも拭けたかな」と言い添え、追加で拭いてくれたらもう一度ほめましょう。

「あのときは、えらかったね」と後からほめる

子どもが頑張ったり我慢できたりと、ほめてあげたいシーンがあったのに、自分が忙しかったり、ほかに叱ることがあったりして、ほめるのがついあと回しに、ということはありませんか? 後で余裕のできたときに「あのときは、えらかったね」とほめた場合、自分ではフォローしたつもりになっているかもしれませんが、子どもは「あのときって、いつ?」とピンとこないのです。子どもは小さければ小さいほど「今」を生きていますので、ほめるのは「そのときに」が鉄則です。

事例で解説①「子どもが力作を見せに来たけど、今、手が離せない!」

「見て! 見て!」と、積み木で作った力作のお城を見せたくて、呼びに来たわが子。でも、今揚げ物しているんですけど…。後ろ姿で「へえ、すごいね」とつい適当に言っちゃった。後でほめればいいかしら…。

前述しましたが、子どもは「今、共感してもらいたい」と思っていますから、後でほめても意味がありません。でも揚げ物の最中では手が離せない。では、こう答えてはいかがでしょう。

「○○ちゃん、ちょっとここで一緒に待ってて。エビフライがこげると火事になっちゃうから、これが揚がったら二人で見に行こう」と、数を数えながら一緒に待ちます。

子どもの気持ちを受け止めていますから、振り返りもせずに「すごいね」と言ったり、「今行けない」と断ったりするのとは全然違う対応です。

5~6歳なら「わかった、じゃ先に行ってる」と答えることもありますし、事前に「今からフライを揚げるから、しばらくの間キッチンを離れられないよ~」と説明しておくと、理解できる場合もあります。そんなふうに待たせたときは、手が空いたらすぐに行って、子どもとの時間を楽しんでください。

事例で解説②「ほめる気持ちはあるけれど、言葉が浮かばない!」

絵を描くことが得意なわが子。毎日のように見せにくるのだけれど、どうほめていいのかわからない。いつも気がつくと「上手ね!」ばかり。子どもにも響いてなさそう…。

子どもは絵を見せることで、いっぱいお話ししたいと思っているはず。上手か下手かの評価を聞きたいわけではないのです。描いたものがわかりにくかったら「これ、なーに?」と笑顔で聞き、「なるほど~」と納得してあげればいいのです。細かく描き込んであったら「こんな小さなところまで、よく気がついたね」、どーんと大きく描いてあったら「○○ちゃんがこれを好きなのがよ~くわかる大きさだね」と、気持ちを共有するほめ方が◎。

形をほめにくかったら、「楽しい色づかいだね」「明るい色がたくさんで楽しくなってくるね」「おおー、大人っぽい色を選んだね~」と、色を話題にすることもできます。

ささいなことでも子どもなりに工夫した点、頑張った点を発見するのがコツです。園の先生が時々やるように、「何を描いたか」「どんな気持ちで描いたか」をインタビューして、絵の隅や裏に日付とともに書き留めておくと、記録にもなります。

子どもに届くほめ言葉一覧

ほめ言葉の種類はけっこうたくさんあります。

・素敵! ・最高! ・花丸だね ・バッチリだね ・いい感じ! ・感動した! ・頑張ったね ・大したもんだ ・いいね~、その調子 ・成長しているなぁ ・かわいいね ・カッコいいよ ・強いね ・勇気があったね ・優しいね ・頼もしいな ・キラキラしているね ・笑顔になれたよ ・うれしいわ ・助かったよ ・大好き ・そこが○○ちゃんのいいところ ・周りの人のことをよく考えられたね などなど。

子どもによって〝刺さる言葉〟が異なりますので、わが子の性格なども考慮しながら喜ぶ言葉を探してみましょう。

原則として挙げたいのは、以下の4つ。これらを押さえておけば、ほめ言葉が増えていくはずです。

わが子のもって生まれたいいところを言葉に出してほめる(自己肯定感が高まる)

②何か「できた」結果よりもプロセスの頑張りを認めてほめる(そうするとほめる回数が増える)

③子どもの達成感を共有する気持ちでほめる

親の「いい子」像を押し付ける形でほめない

たとえば、親子で相談して何かお手伝いをしてもらうことになったときなど、「上手にできたとき、どんな言葉でほめられるとうれしい?」と子ども本人に先に聞いてしまうのもよいでしょう。

いずれにしても、子どもの立場に立って「どうほめられたらうれしいかな」と考えてみれば、自然にほめ上手になれますよ。

 

 

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