育児ミニ情報

【保育のプロが教えます】お散歩は大事な遊び!親子散歩をさらに楽しく&学び豊かに

子どもにとって、お散歩はとても大事な遊びであり、学びだとご存知ですか?

そこで今回は、元保育士で日本児童教育専門学校講師の今泉先生に、お散歩で育つ力や楽しみ方、さらにちょっと困ったシーンの解決方法をお聞きしました。

(お話/日本児童教育専門学校 講師 今泉良一)

 

目次

1 お散歩で実はこんなに学びがある!
2 お散歩のチェックポイント3つ
3 親子でもっと楽しいお散歩遊び
4 お散歩で「困った!」こんなときの対応

 

1、お散歩で実はこんなに学びがある!

子どもたちにとって、お散歩は「楽しい」以外にもたくさんの役割があります。

  • 生き物や植物、お天気などの自然の事象に親しみ、発見したり感動を体験したりする
  • 身の回りにあるさまざまなものから刺激を受け、興味をもつ
    ⇒遊具、お店、標識、看板、車・電車など
  • 交通ルールを知る。また守ろうとする
  • 友だちや地域の人と触れ合うことで、社会性が育つ
  • 体力がアップし、健康な身体づくりにつながる
  • 開放的な気分を味わえる

大人にとっては通い慣れた道でも、子どもたちは日々、いろいろな学びや経験をしています。

「こんな学びがある」「子どもの成長につながる」と知っておくだけでも、今日からお散歩がちょっと特別感のあるものに感じられそうですね。

 

2、お散歩のチェックポイント3つ

さらに、保育士さんが普段意識している、お散歩のときのチェックポイントを紹介します。

(1)安全第一

お子さんが急に走り出したり、車や自転車が曲がってきたり、起こりうる危険な場面を、あらかじめ想定しておきましょう。お子さんとも、繰り返し確認しておくと安心ですね。

交通量の多い道や時間帯を把握し、怪我しやすい場所をチェックしておきましょう。

また、思いがけない隙間に手や体を入れたり、溝にはまってしまったりするのも、子どもの小さな体だからこそ。

お子さんの発達やその日の機嫌、体調によっては、お散歩ルートを変更するのもひとつです。

まずは安全を最優先で確保したうえでのお散歩や遊びということは、どうぞお忘れなく!

 

(2)いつもと違うところに気を留める

例えば、工事が始まった、昨日までつぼみだった花が咲いた、新しいお店がオープンした…。
どんなことでもかまいません。

周囲をよく見ることは、(1)の安全を確保する上でも大切です。また「ピンク色のお花が咲いたね。花びらが何枚あるのかな?」などと、お子さんとの会話にもつながり、新しい興味を広げることもできます。

見つけたものは、帰ってから図鑑などで調べたり(花の名前や変わった形の雲など、何でもOK)、翌日どうなっているか予想して確認したりする楽しみにもなりますね。

 

(3)子どもと同じ目線で見てみる

お子さんと同じ高さまでしゃがんでみましょう。いつもは見えていなかったものを発見するチャンスです。

地面を歩くアリの列が近くに見えたり、道路標識がとても高い位置にあることに気が付いたり…。

子どもの高さからは見えていない危険も把握できて、一石二鳥です。

同じ目線になることで、お子さんが好きなもの、興味があることがより身近に感じられて、「わたしも知りたい!」と思えるかもしれませんよ。

 

3、親子でもっと楽しいお散歩遊び

※前述のとおり、安全を確保したうえで遊びましょう。

手作り双眼鏡

トイレットペーパーの芯を2個貼って、双眼鏡を作ります。カラーセロハンを貼ると、色つきの世界に! 1歳ごろから楽しめます。

簡単に作れるので、親子やきょうだいで1個ずつ用意したり、カラーセロハンの色選びや左右の組み合わせなど、作るところからお子さんとチャレンジしたりしてみましょう。

 

文字・数さがし

文字や数がわかるお子さんなら、看板やポスターなどの文字を読んでみたり、「車は何台止まっている?」と、ちょっとしたクイズで数への興味を高めたりしてみましょう。

「公園までに、赤い車は何台通るかな?」「○○くんの名前の文字が書いてある看板は見つかるかな?」などと、お散歩前にルールを決めておくのも、遊びにわくわく感を加えるきっかけになります。

ビンゴカードのように、折り紙にマス目を作って探すものをいくつかかいておき、見つけたらシールを貼っていくのも、視覚的にわかりやすく、達成感があります。

 

4、お散歩で「困った!」こんなときの対応

お散歩シーンであるあるなお悩みにお答えします。

Q.外には出たがるけれど、だっこやベビーカーが好きなわが子…。これでもお散歩に行くメリットはありますか?

A.外の刺激に触れるよい機会になります

外気に触れたり、周りの風景に興味を持ったり、子どもの発見を大人と共有したり、歩く以外にもお散歩の意義はたくさんあります。歩く時間が短かったとしても、気にすることなく積極的に出かけましょう。

 

Q.お散歩中、子どもにどんな声をかければよいでしょうか?

A. 事実にひと言プラス!

子どもの行動や言動、親が気づいたものをお子さんに伝えてみてはどうでしょうか。

特に、五感で感じることに着目すると、言葉にもしやすいですよ。

例えば、子どもがお花を指さしたときに、「お花あったね」だけでなく、「赤くてきれいだね」「これはチューリップよ!」「どんな匂いかな?」などと、子どもの興味が高まるように、ていねいな言葉選びをすることで、言語理解の発達も促します。

 

Q.きょうだいでのお散歩、安全面以外で気にかけることはありますか?

A.それぞれの子の興味や期待に沿えると◎

できるだけお子さんそれぞれの興味に添えるとよいでしょう。

今日は上の子の好きなもの探し、明日は下の子のお気に入りのルートを選ぶなど、日によって変えるのもOK。一緒に出かければ、お互いの興味にその子なりの関わり方をすることも多いもの。

それでもあまり興味がなさそう…というときには、例えば、上の子が電車を見ている間、下の子との時間を密に過ごして触れ合うタイム! と考えてみるのはいかがでしょうか(もちろん、上の子から目は離さずに)。

 

Q.いつも同じルートでもよいのでしょうか?

A.「今日は何を発見できるかな?」と期待感をもてればOK

ルートが同じでも、その都度違った発見があるはず。ルートを変えていろいろな道を歩くことに一生懸命になる必要はありません。

同じ道を通ることが多いときは、「今日はこれを見つけよう!」とお子さんと決めたり、親自身が「子どもがどこを見て歩いているかな?」「今は何に興味があるのかな?」という視点をもったりすると、同じルートでも新鮮な気持ちで歩けるでしょう。

なんとなくルーティン化してマンネリ…というのであれば、目的地は同じ保育園やスーパーでも、1本違う道を通ってみたり、時間があれば、お子さんと「どっちを通る?」と相談しながら進んでみたりしてもよいかもしれませんね。

 

Q.お散歩から帰りたがらない! どうやって誘えばいいですか?

A.熱中するものがあるはず! それが何か探してみて

きっと「帰りたくない!」と思えるほど、好きなものや熱中していることがあるのでしょう。

一体、何に熱中しているのかを、まずは探ってみましょう。会話ができる年齢なら、「どうして?」「○○をしているからかな?」と聞いてみてもよいですね。

その上で、見通しがもてるような言葉かけをしていくのがよいですよ。

⇒「だんごむし捕まえてるところだったのに!」なら、「じゃああと○匹捕まえたら帰ろうね」
⇒「すべり台もっとやりたい!」なら、「じゃああと○回滑ったら帰ろうね」
など、具体的に終わりがわかるような伝え方をすると、お子さんも納得しやすいです。

また、帰りたがらないことが予想される場合は、早めに帰宅の声かけをすると「まだ!」という返事だとしても、お子さんは(そろそろ帰るんだな)と気持ちの準備ができます。

 

Q.年齢が上がるにつれて、お散歩の距離をのばしていった方がいい?

A.気にしなくて大丈夫!

お散歩の距離や所要時間は、年齢で一律に分けられる訳ではないので、興味・関心、体力などお子さんの発達に応じて考慮するとよいと思います。

 

 

お子さんにとって楽しさがあってこそ、「どうなっているのかな?」「もっと知りたい!」という気持ちからの成長や学びにつながるのもの。

お子さんの様子をよく観察すれば、歩くことが一番の目的とならずに、楽しんでお散歩できるはずです。

家の中でお子さんと2人きり…というときこそ、お散歩に出かけてみてはどうでしょうか。

 

 

今泉良一

日本児童教育専門学校専任 講師。東洋大学大学院修了。13年間、保育士を経験したのち、2017年より現職。保育者の養成とあわせて「子どもの表現活動」について研究している。

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