育児ミニ情報

【コロナ禍の子育て緊急アンケート】園&保護者同士のコミュニケーション不足 みんなどうしてる? 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、子育て中のママパパにも、いろいろな影響があります。お子さんを幼稚園や保育園などに預けている方たちは、園の行事がなくなったり縮小されたり、保護者が園内に立ち入ることが難しくなったりして、園の先生や他の保護者とのコミュニケーションに苦労することも増えているようです。

今回は、子育て中のママパパにアンケートを実施して、困っていることや工夫していることなどをうかがいました。また、そんなママパパの不安や疑問について、元保育者で現在は日本児童教育専門学校専任講師でもある、今泉良一先生に、園の先生や保護者同士の関わり方についてアドバイスをいただきました。

※アンケート調査:モニプラファンブログ「学研の幼児ワーク編集部」調べ(2021年8月実施/176人回答)

お話/今泉良一(日本児童教育専門学校 専任講師)

先生や保護者同士も、顔を合わせる機会が激減

コロナ禍による、他の保護者や園の先生とのコミュニケーションでの変化で最も多かったのは、「保護者会や行事が少なく、情報収集の機会が減った」という声でした。先生も保護者同士も、直接対面して話す機会がほとんどない、というケースもありました。

次に、「園以外で他の保護者との交流が減った」という回答が多く、それまでは降園後に、近くの公園で遊んだり、お互いの家を行き来したりすることもあったのが、コロナ禍により激減しているようです。

「降園時などに気軽に先生と話しにくくなった」という回答も多く、対面でのコミュニケーションが減った分、「メールやSNSでのやり取りが増えた」という回答が見られました。

ほとんどの方が、直接顔を合わせて話をしたり、相談事をしたりというケースが減っていることで、情報収集の機会が減り、園の先生や他の保護者とのコミュニケーション不足を感じているようです。

【園とのコミュニケーション】機会をとらえ、さまざまなツールを活用

 直接会って話す機会が減ったこともあり、園の先生とコミュニケーションをとるために工夫していることをうかがうと、

「数少ない行事の手伝いに積極的に参加しています。園のコロナ対策や、子どもたちの様子などもわかりますし、先生方や他の保護者ともコミュニケーションがとれます」

「連絡帳でのやりとりが増えましたが、聞きたいことがある場合は、メモや手紙を持たせて、連絡しています」

「連絡帳を活用していますが、言いにくいことや文章だと誤解を生みそうなことは、直接話したいので、電話をしたり、登降園時に話せるよう、時間を調整したりしています」

「先生方も忙しそうなので、話したいこと・聞きたいことがあったら、常にスマホにメモをして、時間を取り過ぎないにしています」

といった声がありました。数少ない対面の機会を大事にしつつ、連絡帳や手紙、メモ、電話など、いろいろ活用されているようです。

 

また、園でも保護者とのコミュニケーションを図るため、いろいろ対応してくれているようです。

●おたよりを頻繁に出してくれるようになりました。

●写真入りのおたよりが増えています。

●園がインスタのアカウントを開設してくれて、コミュニケーションの場になっています。

●連絡帳に、子どもの様子などを細かく書いて伝えてくれます。

●子どもたちの様子やはやっている遊びなどを、ホワイトボードに書いて見える場所に掲示してくれています。

園の先生に相談したいことは、「子どもの友だち関係」「発達面」「生活習慣」など

園の先生に相談したいことで、一番多かったのが「お子さんの友達関係」です。園での生活が見えない分、気になりますよね。

続いて、「お子さんの知的発達について」や、「食に関すること(偏食など)」「生活習慣」「お子さんの身体的な発達について」など、発達面と生活習慣についての心配が挙げられています。

以前のように、登降園時などに気軽に話をしたり、相談の時間をとってもらうことが難しいと、いろいろな面で不安がつのることでしょう。保護者にとっては、深刻な問題ですね。

園の先生とのコミュニケーションで困っていることは?

園の先生と話す機会が減ったことで、実際に困っていることを聞きました。

「コロナ禍の影響で、先生方がとても忙しそうです。気になることや問い合わせなどがあった際に電話をすることもありますが、忙しそうな様子をいつも見ているので、こんなことで時間をとってしまうのは申し訳ないと思い、これくらいは仕方ないか…と、飲み込むことが増えました」

「以前より連絡帳を活用するようになり、メモを挟んだり、お手紙を書いたりしています。先生はとても丁寧にご返事をくださるのですが、もしかしたらこういうことも負担かなと思ったりします」

「おたよりや掲示板などで連絡事項を伝えていただいていますが、見落としてしまったり、詳細がわからなかったりすることもあって、不便に感じることもあります」

「先生方がとても忙しく、少しピリピリしていて話しかけにくいことがあります。先生によって、コミュニケーションがとりやすい先生とそうでない先生もいて…対応に困ることもあります」

みなさん、忙しそうな先生方の様子から、相談事などを躊躇されている状況が見えますね。こういった保護者の声に対して、今泉先生にアドバイスをいただきました。

 

【今泉先生からのアドバイス】

保護者の方たちが、現場の先生に配慮してくださっているのが、とてもうれしいですね。

現在のコロナ禍では、今まで以上に保護者の方のメンタルヘルスにも気を配っていかないといけないと思っています。保護者の不安な気持ちを軽減することが、子どものよりよい育ちにもつながると考えておりますので、ご相談事がある際は、気軽に声をかけてほしいと思います。

アプローチの方法はいろいろあります。急を要すものは電話で構わないと思いますし、連絡帳の活用は、子どもの様子を共有するうえでも重要だと思います。ぜひ、いろいろ書いていただきたいですね。書ききれないことは、メモなどをつけていただければと思います。

また、オンラインでの個人面談なども普及しつつあるようです。園それぞれの対応があると思いますが、積極的に活用してもらえるよう、働きかけてみてもよいかもしれません。 

【保護者同士】SNSでの交流が増え、顔と名前が一致しないケースも

保護者同士での情報収集やコミュニケーションをとるために工夫したことをうかがうと、「LINEグループを作って情報交換をしている」という方が多かったです。また、「バス通園なので、同じバス停のママたちとこまめに連絡を取り合っている」という回答もありました。

コロナ禍で行事や懇談会も少なくなり、保護者同士が直接会って話をする機会もないため、子育ての悩みなどを気軽に相談したいのに…と、残念に思われている方が多いようですね。

 

保護者同士のコミュニケーションで困っていることは?

保護者同士が直接顔を合わせる機会も減っているなか、困っていることを聞きました。

「去年入園したのですが、ずっとコロナ禍で、懇談会や園行事もなく、クラスの保護者の顔と名前が一致しません。ママ友もできず、いろいろな悩み事なども共有できなくて、とても不安です。登降園時に会っても、話しかけていいのか躊躇してしまうこともあります」

「保護者同士の交流が、LINEなどSNSが中心になり、文字だけだとうまくニュアンスが伝わらないのが気になってしまい、交流しにくいです」

「うちの園では、保護者同士のグループLINEなども特になく、ほとんど情報を共有できていません。自分だけ、交友関係が狭いのでは? と不安になっています」

「保護者同士でも、コロナに関する感覚が違っていて、気にする人とそうでない人との付き合い方(距離感)が難しいです」

 

【今泉先生からのアドバイス】

コロナ禍がこれほど長く続くとはだれも予想できませんでした。入園からずっとコロナ禍…という方もいらっしゃいましたが、子育ての悩みを共有したり、相談したりといったことができないのは、残念な状況ですね。

園によっては、オンラインでの懇談会などを実施されているところもあります。マスクをつけたままだと顔がわからない…ということもありますが、オンラインなら、顔や声を確認することができます。オンラインを活用したクラス懇談会ができると、登降園時に会った時なども気軽に声をかけられるようになりますね。

オンライン上の懇談会でも、例えばですが、紙とペンを用意して、自分の自己紹介文を書いて見せ合うなど、自己紹介の仕方を工夫したり、みんなで一緒に手遊びをして一体感を味わったりするのもおすすめです。

小グループに分かれて、なにか1つのお題(お子さんのトイレトレーニングや偏食についてなど)に関して話し合ってみるなど、オンラインならではの交流方法があると思います。

また、保護者間のSNS活用については、もともとSNSをよく利用する人とそうでない人もいると思います。なので、一概には言えませんが、みなさんで活用しやすい方法を相談して、取り入れてみてもよいかもしれません。

保護者同士でコロナに関する捉え方が違う点ついては、健康に関わることですから難しい問題ですね。園からの情報はもちろん、できるだけ正しい情報を得ることと、出どころがあいまいな情報については、必要以上に気にし過ぎないことも大事だと思います。それぞれの考え方を尊重しながらお付き合いすることも、ある程度必要かもしれません。

コロナ禍、子どもへの影響も心配

コロナ禍の影響で、困っていること・不安に思っていることのなかには、お子さんに関するものも挙げられていました。

「園以外で、友だちと遊ぶ機会がなくなりました。友だちとの関わりが少なくなってきたせいか、子どもの人見知りがより加速している気がして…心配です」

「行事がなくなったり、給食も黙って食べなければいけなかったりして、子どもたちがかわいそう。小さい時の経験や、他者との関りは大事だと思うので、発達面で影響があるのではないでしょうか?」

 

【今泉先生からのアドバイス】

お子さんの人見知りが心配で、このままコロナ禍が続いたら…と不安に感じていらっしゃるのですね。園でのお子さんの様子を、先生に直接聞いてみてはいかがでしょうか。意外に、楽しく過ごしているとわかるかもしれませんし、気になる様子が見られたら、先生がさりげなく配慮してくれると思います。

また、園では、行事の縮小や活動の制限などが続いています。園での様子も見られず、不安に感じることも多いと思います。

今、現場の先生方は、行事のあり方を見直しています。普段の保育や日々の子どもたちの育ちにもっと着目してもらえるように工夫したり、黙食が求められる給食なども、黙食によるメリット(食事に集中できる、など)を探したりしています。

マスクで先生の表情が分かりにくいといわれていることについても、その分、分かりやすい言葉での声かけや、配慮のタイミングなどを工夫されているようです。

文部科学省HPには、「新型コロナウイルス感染症の対応ための幼稚園等の取り組み事例集」というサイトがあります。ここでは、園でのさまざまな取り組みが紹介されていますので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

●文部科学省「新型コロナウイルス感染症の対応ための幼稚園等の取り組み事例集」

https://www.mext.go.jp/content/20200512-mxt_youji-000005336_002.pdf

 

【最後に】

今は、誰もが経験したことのない想定外の状況のなか、柔軟な対応と、さまざまな試行錯誤が求められています。大人が必要以上に不安がらないことも、子どもにとっては大切なのではないかと思います。

園での生活やお子さんのことで、困ったり不安に感じたりしたら、遠慮せずに先生に相談してください。できるだけ早く不安を払拭することが、心の安定にもつながります。こうした状況下ですが、できるだけ前向きに過ごしていただけたらと思います。

 

お話/今泉良一

日本児童教育専門学校専任講師。東洋大学大学院修了。13年間、保育士を経験したのち、2017年より現職。保育者の養成とあわせて、「子どもの表現活動」について研究している。

 

RELATED POST
育児ミニ情報

新時代の離乳食って?分量・時期、気になる月齢別の進め方について~教えて!Q & Aも~

2019年6月13日
りんごちゃんのおけいこラボ | 学研の幼児ワーク
乳幼児期の食事は、授乳から離乳食、幼児食へと大きく変化します。 離乳食にはいろいろな段階があり、手間や時間もかかりますが、お子さんの成長を …
育児ミニ情報

【医師監修】指しゃぶりをするのはなぜ?いつから始まって、いつまで続くもの?~止めさせるタイミングやその方法についても~

2019年5月7日
りんごちゃんのおけいこラボ | 学研の幼児ワーク
赤ちゃんが指しゃぶりをしている姿はかわいいですよね。 でも、ママやパパにとっては、かわいいだけではすまないこともあるのが現実。 歯が …
育児ミニ情報

正直めんどくさい…!やっかいなママ友との付きあい方って?【教えてトラブル対処法*専門家に聞きました】

2020年9月29日
りんごちゃんのおけいこラボ | 学研の幼児ワーク
同じマンションの住人や、家族ぐるみのお付きあいなど、自分と彼女の相性だけで仲よくしているわけではないママ友。複雑な事情があるからこそ、こじれ …