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【医師・専門家監修】0~5歳 チャイルドシートの常識! 間違って覚えていませんか? 着用義務・付け方・選び方

6歳未満の子どもには、チャイルドシートの着用義務があることをご存知ですか?

「ちょっとの距離だし」「このくらいは、免除だよね!」など、チャイルドシートについて、実は間違えて覚えている方もいるようです。

 

コロナ禍で車移動が増えている今、あらためてチャイルドシートの正しい使用法について確認しておきましょう。医師で一般社団法人日本自動車連盟(JAF)常任委員の服部益治先生にお話を伺いました。

イラスト/石崎伸子

 

新生児から6歳未満の子どもは着用義務がある!

チャイルドシートは、車内で子どもの命を守るための唯一の装置です。使用している場合と比較して、使用していない場合は交通事故時の致死率がなんと約8.1倍に!

2000年には、6歳未満の子どもへの着用が道路交通法によって義務化されました。

しかし、警視庁と一般社団法人日本自動車連盟(JAF)の調査によると、実際にチャイルドシートを使っているのは6歳未満で70.5%と、おおよそ3人に1人はチャイルドシートを正しく使用せずに車に乗っているのです。


出典:「6歳未満のチャイルドシート使用状況」(2019年)警察庁ウェブサイト(https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/childseat.html#:~:text=%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E5%BA%81%E3%81%A8%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%A4%BE%E5%9B%A3,%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88)%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)

 

また、年齢別にみたチャイルドシート使用の比率は、

  • 1歳未満:88.0%
  • 1~4歳:72.4%
  • 5歳:48.0%

と、5歳の着用率が、他の年齢層よりも低くなっています。

 

加えて、「チャイルドシート取付け・着座状況調査結果(2019年)」によると、チャイルドシートの利用者を対象にした調査では、チャイルドシートを間違った取り付け方をしていたのは52.4%、子どもを間違った方法で着席させていたのは57.8%と、誤った使い方をしている人が多いことがわかります。

 

車への固定が不十分だったり、子どもが正しく座っていなかったりすると、チャイルドシート本来の機能を発揮できず、交通事故時には子どもを危険にさらすことになります。

車内の子どもの安全を守るには、子どもの年齢や発達に合ったチャイルドシートを選んだうえで、正しく車内に装着し、正しい座り方をさせることが大切なのです。

それでは、チャイルドシートの種類や正しい着用方法のポイントについて、確認していきましょう。

 

チャイルドシートの種類

チャイルドシートは、6歳以上で身長が140cm以上になるまで使用します。

子どもの年齢や発達に応じて使い分けられるよう、「乳児用」「幼児用」「学童用」の3つのタイプがあります。

乳児用シート

■対象■
体重:13kg未満
身長:70cm以下
年齢:新生児~1歳ぐらい

設置が後ろ向きの「シートタイプ」と、横向きの「ベッドタイプ」があり、どちらも首がすわっていない乳児は、寝かせて使用します。

乳児用シートは必ず車の進行方向に対して、後ろ向き・背もたれの角度が45°になるように設置します。これは、前方からやってくる衝突時の衝撃を、背中側で受け止めるためです。

広い背中で衝撃を分散させることで、体への負担を減らすことができます。

 

乳児用シートの取り付け場所

出典:一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)「はじめてのチャイルドシート クイックガイド 乳児専用タイプ(後ろ向きに取り付け)」https://jaf.or.jp/common/safety-drive/protect-life/child-seat/baby

子どもと二人で乗車するときには、目の届く助手席に取り付けたくなるものですが、これは絶対に避けましょう。

衝突時にエアバッグが膨張すると、乳児用シートと助手席との間に子どもが挟まれ、大けがの原因になるためです。大切なお子さんを守るためにも、乳児用シートは必ず後部座席に取り付けます。

また、後部座席の真ん中は、構造上、設置が難しい場合があります(製品によって異なるため、取り扱い説明書をご覧ください)。

 

幼児用シート

■対象■
体重:9~18kg
身長:65~100cm
年齢:1歳~4歳ぐらい

首がすわって自分で座席に座れるようになった子どもが対象です。

一般的には前向きで使用しますが、後ろ向きで乳児用シートとしても使える兼用タイプもあります。

 

幼児用シートの取り付け場所

出典:
一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)「はじめてのチャイルドシート クイックガイド 幼児用チャイルドシート(前向きに取り付け)」https://jaf.or.jp/common/safety-drive/protect-life/child-seat/infant-front

 

国土交通省や警視庁は、幼児用シートをはじめとしたチャイルドシートを、後部座席に取り付けることを推奨しています。また、乗り降ろし時の安全や、子どもが一人で乗り降りできるようになることを考えると、後部座席の歩道側(左側)が最適です。

やむを得ず助手席に設置しなければならないときは、助手席のシートをいちばん後ろまで下げて取り付けましょう。ダッシュボードと距離をとることで、エアバッグの膨張による被害を防ぐことができます。

学童用シート

学童用シートは、子どもが大人用のシートベルトを正しく着用できるよう、補助するものです。幼児用シートを大きくしたような「背もたれ付きタイプ」と、座面部分を座席に置くだけの「ブースタータイプ」があります。

<背もたれ付きタイプ>

■対象■
体重:15~36kg
身長:135cm以下
年齢:4~10歳ぐらい

身長が100cmを超え、幼児用シートのハーネス(安全ベルト)がきつくなり、シェル(背もたれのクッション)から頭がはみ出すようになったら、学童用シートへの交換時期。

 

<ブースタータイプ>

ブースタータイプは、背もたれがないチャイルドシートです。

シートベルトによるおなかの圧迫を防ぎますが、身長が低めなど子どもの体格によっては肩ベルトが首にかかり、圧迫されることも。そのため一般社団法人日本自動車連盟(JAF)では、背もたれつきタイプの学童用シートを推奨しているそうです。

 

正しい着用のチェックポイント

取り付け方は製品によって違いがあるため、取り扱い説明書で正しい設置を確認するとともに、正しく着用できているかもチェックしましょう。

□子どもの体格に合った製品を使用している
□肩ハーネスの高さ調節が適切
□ハーネスの締め付け具合が適切
□ハーネスにねじれやよじれがない
□シートの背もたれの角度が適切
□肩ベルトや腰ベルトの通し方が適切(学童用)

 

購入時のチェックポイント

チャイルドシートを購入する際には、次の3つがポイントになります。

 

(1)安全性

□「Eマーク」※1がついた製品、「ECE規則」※2に適合している製品
□サイドサポート(シートの横の部分。横からの衝撃に対応する)が大きい製品
□ バックルとタング(ハーネスをはめる部分)は大きすぎず、肩ベルトパッド(ハーネスの肩カバー)は硬すぎない

(2)車への設置のしやすさ

□取り付けが簡単
□あまり重くない

(3)子どもが無理なく使用できるかどうか

□クッションカバーなどの着脱が簡単
□背もたれに高さがある
□ハーネスの締め付け調整がしやすい

※1Eマーク…現行の安全基準に適合している製品であることを示すマークです。
※2ECE規則…「車両・装置等の型式相互承認協定」の一環として、チャイルドシートにも取り入れられている安全基準です。

(2)と(3)については、購入前に実際に確認することが必要です。チャイルドシートを取り付ける予定の車で販売店に行き、設置や着座を試してみましょう。ネットショップで購入する場合でも、使用前に必ず設置や着座の状態を確認してください。

もし中古のチャイルドシートを譲ってもらう場合には、説明書や付属品などがすべて揃っていて、使用歴のわかるものを選びましょう。一度でも事故に遭ったものは、外見に問題がなくても、部品が摩耗している危険性があります。

 

チャイルドシート着用が免除されるケース

6歳未満の子どもであっても、以下の場合に限り、チャイルドシートの使用が免除されます。ただし、免除される状況は道路交通法によって定められており、個人の都合では判断できません。

  1. 車の構造上、チャイルドシートを固定することができないとき
  2. チャイルドシートの設置で、定員人数の乗車ができなくなるとき
  3. けがなどでチャイルドシートの着用が難しいとき
  4. 肥満などの身体的問題によって、チャイルドシートの着用が難しいとき
  5. チャイルドシートをしたままでは、授乳などの世話ができないとき
  6. バスやタクシーなどを利用する場合
  7. 過疎地域などで、自家用運送車に乗せるとき
  8. 応急救護のため、医療機関や警察などに子どもを連れて行くとき

(道路交通法 第26条の3の2の第3項)

 

では、このようなケースはどうでしょうか?

  • 親戚や友人の車に乗るときは免除される?⇒×されません

親戚や友人の車という理由では、チャイルドシート着用の免除にはなりません。もし着用せずに乗車した場合、着用しなかった子どもの保護者ではなく、運転手が罰則の対象になります。

  • レンタカーはチャイルドシートなしでもOK?⇒×必要です

レンタカーでも、チャイルドシートの着用は必要です。最近では、レンタカーの申込時に6歳未満の子どもが乗車することを伝えれば、業者側でチャイルドシートを準備してくれることが多いです。

  • 新生児の退院時くらいは…⇒×免除されません

新生児も6歳未満の子どもにあたるため、チャイルドシートが必要です。出産前には、早めに乳児用シートを準備しておきましょう。もし準備が間に合わなかった場合は、電車などの公共交通機関か、チャイルドシートを準備しているタクシーなどを利用しましょう。

 

服部先生からのメッセージ

どんなにこちらが注意深く運転していても、事故に巻き込まれてしまうことがあります。そんなときにお子さんを守るのがチャイルドシートです。

「法律で義務になっているから」ではなく、「子どもの命を守るため」といった積極的な意識をもって、チャイルドシートを使うようにしましょう。

シートベルトの締め付けを嫌がってなかなか乗ってくれないお子さんには、車に取り付ける前に、おうちで楽しい雰囲気で練習してみるのがおすすめです。

車に乗るときには、チャイルドシートの設置状態やお子さんの着席の様子をこまめにチェックして、不備のない状態でのドライブを心がけてくださいね。

 

 


服部益治

医療福祉センターさくら院長、兵庫医科大学特別招聘教授。JAF常任委員。日本小児科学会専門医、日本腎臓学会専門医、日本夜尿症学会常任理事ほか。専門は、小児科全般、腎臓病、夜尿症、予防接種、傷害予防など。次世代を託す子ども達に夢大きく、心豊かに育ってもらうため奮闘中。

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