育児ミニ情報

幼稚園入園前の心の準備。元幼稚園教諭に聞きました!

あと数か月で、いよいよ幼稚園に入園。新たな一歩ですね。

「初めての園生活、新年度はどんな様子なの?」「今からおうちでできる準備はある?」

こんな疑問について、元幼稚園教諭の前田和代先生にお聞きしました。

 

お話/前田和代(東京家政大学 児童学科講師)

 

 

新年度の幼稚園は、泣いている子・泣いていない子さまざま

親子ともに初めての環境で、「知らない」ということばかりでは、不安に思う気持ちもあるでしょう。

そこで、新年度の子どもたちがどんな様子かを紹介します。

泣いている子

やはり最初は泣いてしまう子が多いですが、「泣く」にも色々なパターンがあります。

元気に「いやだー!」と絶叫する子、保護者と離れる時だけは悲しくなる子、泣き切ったあとはさっぱりしている子、ずっと泣いている子など、泣き方にも個性があります。

でもどんな子も、自分の居場所を見つけると、だんだんと笑顔が増えて、楽しく登園するようになります。

「うちの子、泣いてしまいそう…」と、不安に思わなくてだいじょうぶですよ。

泣かない子

泣かずに登園してくる子は、兄姉が一緒に通っていて、お世話をしてくれるので泣かないという子が多いです(でも、あんなに幼稚園にお姉ちゃんの用事で来ていたのに、いざ自分が入園したら泣いてしまう子も!)。

他にも、

  • まだ自分の状況が見えていなくて黙々と支度する子
  • 先生のそばを離れず、泣かないけれど我慢している子

など、「泣かない」子にも、色々な心境があります。

 

好奇心旺盛で、登園後、年中組へリュックを背負ったまま出かけて、ひと遊び。年中組の先生に連れられて帰ってくることもしばしば…なんて子も。

特に新年度は、子どもたちがそれぞれに自己表現をしている状態です。

 

新年度の先生たちの配慮

そんな、入園したての子どもたちのために、幼稚園では、次のような配慮をしています。

安心して過ごせる環境づくり

家庭と同じような環境で、安心して遊べるコーナーを作っています。カーペットを敷く、家庭にあるようなおもちゃを用意しておくなど。

それを、遊びかけの状態にして、置いておきます。例えば、積み木をいくつか重ねておく、ままごとのテーブルにコップとお皿を並べておく、などです。

まっさらな状態は触りづらいものですが、ひと工夫して「遊びかけ」にしておくことで、遊びのきっかけになるのです。

また、一人ひとりが思い思いに遊べるような、おもちゃの種類や配置も考えています。

 

他には、動植物と触れ合うことで、気持ちが安定するという子も多いので、飼育物と関われるように、触れ合いやすい配置をしたり、自由に触れ合っていいことを子どもに伝えたりもします。

マンツーマンで関わる

初めての幼稚園生活は、新しい土地に引っ越してきたばかりのような環境。靴箱・ロッカーの位置、かばんやコップの置き方など、覚えることがたくさんありますね。

朝の支度や荷物の置き場所などは、子どもたちが慣れるまでは一人ひとり、丁寧に確認しながら行います。

クラスをもたないフリーの先生や、年長組の子どもたちも手伝ってくれるんですよ。

「来ないで! そっとしておいて!」という子には、「ちゃんと見ているよ」と合図をしながら、様子を見て声をかけています。

先生同士での連携

新年度に限ったことではありませんが、クラスをもたないフリーの先生たちとも、しっかりと連携をとっているので、ずっと泣いてしまって、なかなか集団での活動に入れない子も一人でポツンとしていることはありません。

「うちの子はなかなか馴染めそうになくて心配…」という方も安心してくださいね! 「この活動が苦手なのね。困ったな…」なんて、幼稚園では思うことはありません。一人ひとりが安心できるように対応しているので、焦らなくてもだいじょうぶですよ。

 

今からできる入園準備

幼稚園での様子がわかったところで、家庭で今から入園に向けてできることを紹介します。

早寝早起きの習慣づくり

一番大切なことが、早寝早起きの習慣づくりです。

子どもが自分のペースで身支度や朝食をとる余裕があるとベスト。親も焦って「早く! 時間がない!」ということが減りますよ。

 

具体的には、バス通園のお子さんは、バスが来る時間から起床時間を逆算してみてください。

徒歩や自転車通園の方は所要時間を把握しやすいと思いますが、ギリギリの登園では、登園してからの準備で、バタバタしてしまいがちです。

今のうちから、とにかく時間にゆとりをもった生活を送っていただければと思います。

トイレ、食事、着替えなどを自分でする経験

生活習慣は個人差がありますし、完璧にできていなくても、幼稚園で援助していきます。

ただ、幼稚園は集団生活ですので、おうちで行きたいときに自分でトイレに立つことができていると安心です。また、活動の区切りでは一斉にトイレに行くことがあるので、オムツが外れていると、次の活動への移行もスムーズです

食事や着替えなども、自分で全てできなくても、家庭でひと通り経験しておきましょう。

“経験したことがある(知っている)”と、子ども自身が「これはなに? どうすればいいの?」と思うことが減るので、落ち着いて行動しやすくなります。

家族で入園を楽しみにする

具体的に幼稚園生活のイメージがもてるような会話をしてみてください。

「なに組になるかな?」「どんなお弁当箱がいいかな」「なにで遊びたい?」「お母さんも新しいお友だちができるかな。楽しみだな」と、親子で、楽しみ! という気持ちをもちましょう。

「これができなくてどうするの? もうすぐ幼稚園なのに」「これでは幼稚園に行けないよ」などと否定的なことは言わないでくださいね。

初めてのことは、親も不安でついあれこれ言ってしまうこともあるかと思いますが、言われた子どもも不安になってしまいます。

親が楽しみにしていると、子どもも「幼稚園は楽しいところなんだな」「お母さん・お父さんが楽しみにしているからだいじょうぶ!」という気持ちになってきますよ。

自分で好きな遊びを選んでする体験

子どもが自分から「これをやりたい!」と、言い出した時に、ぜひできるようにサポートをしてあげてください。

時間がかかっても満足するまで見守ったり、実現するために必要な物を準備したりしましょう。

能動的に楽しむことができていると、入園してからも、自分の好きな遊びを見つけたり、友だちと共有したりすることができるようになりますよ。

 

不安が強い子への伝え方

不安な気持ちが強い子には、安心できる言葉をかけてあげてください。

「だいじょうぶ」などの言葉の他、幼稚園がどれだけ楽しいところか、先生が安心できる人かをイメージできるような具体的な話もいいですね。幼稚園がテーマの絵本を読むのもおすすめです。

ただ、言葉のシャワーだけでは子どもが疲れてしまう場合があるので、抱きしめる、手を握るなど、スキンシップをたっぷりととるようにしましょう。

 

先生が知っておきたいこと、保護者が知りたいこと

さて最後に、先生の立場で、入園前に子どもに関して知っておきたいことと、保護者からよく聞かれることを紹介します。

皆さんが気になることを幼稚園に質問する際の参考にしてみてください。

先生は、安全に関わる情報を知っておきたい!

  • 偏食、好き嫌い、アレルギー
  • ケガや病気(脱臼しやすい、この処置はだめ、など)があるか、家庭ではどのように対応しているのか

その他、排泄や食事の習慣など、家庭の影響が大きい部分は知っておきたいです。

性格や好きな遊びなどは先入観をもたずにじっくりみていきたいので、入園してからの情報交換でもだいじょうぶです!

※入園前の調査票や、面談でやりとりする機会がある幼稚園も多いので、詳しくは入園する園に確認してみましょう。

保護者からよく聞かれること

子どもの発達や性格について、伝えておきたいという保護者が多いです。「~できないとだめですか?」もよく聞かれます。特に、文字の読み書きなどの知識や、生活面で、まだうまくできないことなども。

他には、幼稚園でも仕事をされている保護者が増えていますので、お迎えや預かり保育、バス停の融通や日程、スケジュール、保護者の係についてなど、ご自身の都合の調整に関することを相談したいとよく言われます。

また、準備する物や持ち物について、リストはお渡ししますが、「○○(メーカー名や色など)でも良いですか?」という質問は例年ありますよ。

 

気になることや、伝えておきたいことがあるのは、先生は承知していますので、尋ねたいことをまとめておいて、聞けるタイミングでなんでも確認してください。

安心して新生活を迎えてくださいね!

 

 

前田和代
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元幼稚園教諭 東京家政大学家政学部児童学科講師。専門は幼児教育学、保育学。特に子どもの遊びや保育環境に関心があり、保育者だったときから子どもの遊びのおもしろさ、そこで育つ力のすごさを実感している。

 

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