育児ミニ情報

幼児期にできる「読解力」を育むヒント~「人間力」「学力全体」の成長にもつながるスゴい力!~

「読解力」と聞くと、小学校に入ってから、「国語」の授業で身につけていくもの?というイメージがあるのではないでしょうか。
でも、実は「読解力」は幼児期から育むことができるのです。

2018年に世界の15歳の生徒を対象に、OECDが学習到達度調査(PISA調査)を行いました。日本の15歳は、「数学的リテラシー」や「科学的リテラシー」は、世界トップクラスでしたが、「読解力」は前回の8位から“15位”へと大きく後退したという結果が出ています。

「読解力」は、どのようにして育つものなのでしょうか。
幼児期にできる「読解力」を育むヒントを横山先生に伺いました。

お話/横山洋子(千葉経済大学短期大学部こども学科 教授)

「読解力」がないと…人の話がわからない!?

「読解力」がなければ、人の話を聞いても理解できない可能性があります。
また自分勝手に解釈し、話し手の意図とは全く違った意味で受け止め、その間違いにすら気づかない場合もあります。
これではコミュニケーションがとれず、気持ちを通わせることが難しくなるでしょう。

小さな子にとっても、読解力は必要なものです。
例えば、園の避難訓練で、先生が「地震が起きたら、まず頭を守るダンゴムシのポーズだよ。近くに、ヘルメットや絵本、かばんがあったら、それを頭の上にのせて頭を守ってね」と伝えたとします。

しかし、読解力がなければ、「ダンゴムシになる」ことで頭がいっぱいになって、頭を守る(ヘルメットなどをかぶる)ことがおろそかに、なんてことも。

「話が伝わらない」「意味が通じない」と、困ることが多いのです。

「読解力」があると、より深く考えられる豊かな人生に!

「読解力」が育っていくと、相手の意図を正しくつかめるようになります。
そうすることで、相手の気持ちを汲んだり、状況を整理したりすることもできます。

言葉を使って頭の中で考えることもできるので、物事について深く思考するようにもなります。
それらの経験が蓄積され、今後の人生に活かされるのです。

幼児期の「読解力」は、言葉への興味から

幼児期でも、「読解力」を高めるためにできることはあります。
まず、「言葉に興味をもち、使ってみる」ことです。

そして、自分が言葉を発すると、「まわりの人が喜んでくれて、しっかり受け止めてくれて嬉しい」と感じさせることも重要です。

つまり、「話す力」と「聞く力」で、人と言葉を交わす喜びを経験することにより、「もっと話したい」「もっと聞きたい」という意欲が高まり、それらの力がますますついてくるでしょう。

「読解力」を育むためにできる、「5つ」のこと

言葉のシャワーや言葉あそびを存分に

0~3歳の子どもには、ゆっくりとわかりやすい言葉で、たくさん話しかけましょう。
目を見て、笑顔で
「おいしいね」
「これ、りんごだよ」
「今日は風がいい気持ち♪」など。

まだ言葉は出なくても、子どもはちゃんと聞いていて、言葉を貯め込んでいきます。
言葉のシャワーを浴びるイメージですね。

言葉が出るようになったら、それを喜び、
「○○って上手に言えたね!」
などと繰り返して言ったり、笑い合ったり、やりとりをしたりして楽しみます。
しりとりなどの言葉あそび、かるたとり、インタビューごっこなど、話すこと、聞くことを存分に楽しむ生活を心がけましょう。

言葉で思いを伝えるチャンスを作る

「○○(子どもの名前)はどう思う?」
「○○はどうしたい?」
「○○はどんな気持ち?」

子どもに「こうしなさい」と指示を与えるより、このように問いかけることで、言葉で思いを伝えるチャンスを作っていく方法もオススメ。
自分で考え、自分で行動するという子どもの主体性を育てることが大切です。

「お母さんはこう思うけど、どうかな?」
などと提案して、考えるよう促すのもよい方法です。

子どもの言葉を否定するのはNG!

やってはいけないことは、子どもの言ったことを否定すること。
「それは違うね」
「ダメじゃない」
といった言葉を言われると、子どもの自己肯定感は下がってしまいます。

「○○はそう考えたんだね」
といったん受け止めてから、
「△△したら、どうなるかな?」
と、足りないところを考えられるように促し、子ども自身で深められるようにしましょう。

そして、終わりには
「よく考えられたね!」
と認めることで、うれしい経験となるようにしてください。

「もし、~したら、□□」ゲームで遊ぶのもオススメ!

「もし○○が白雪姫だったら、おばあさんがりんごをくれたときに、なんて言う?」
など、物語の主人公になって考えます。
正解があるわけではないので、子どもと一緒に自由に楽しんでみてください。

絵本をたくさん読み聞かせる

「読解力」をことさら意識しなくても、親が絵本を楽しく読めたら、それだけでOK!
子どもは理解しているかな?楽しんでいるかな?と確かめながら、難しい言葉が出てきたら、「これは~ってことだよ」と簡単に説明し、読み進めてください。

ゆっくり間をとり、慣れてきたら、おじいさんはおじいさんらしい声で、オオカミはオオカミらしい声で読んでみましょう。
声色を変えると、親も楽しめますし、子どももよりイメージがわいてワクワクします。

「もっと読んで」と子どもが絵本を持ってくるなら、確実に「読解力」が高まっているといえるでしょう。

話を聞くことはおもしろい!絵本を読むことはおもしろい!と思えるように。
自分なりに考えて話すことが喜びになるように。
それができれば、大成功です。

「読む楽しさ」が「国語の力」、そして「全ての学力」につながる

「読む」「考える」「人に伝える」意欲が高まれば、読解力は自然に育っていきます。
子どもの心の中に、いろいろな人生や胸に響く言葉が蓄えられ宿っていくのです。

結果として国語の力はもちろん、全ての教科について、さらに人間性を高めることにつながっていきます。

絵本の読み方に+α!「なぞり読み」と「ふたり読み」

「なぞり読み」

子どもが文字を読めるようになったら、読み聞かせの2、3回目に文字を指でなぞりながら読むとよいでしょう。

「ふたり読み」

次に、子どもの指でなぞらせてみます。
慣れてきたら、「ふたり読み」をしましょう。
「かわりばんこに読もう」と言って、1ページずつとか、文章の区切りごとに交代で読みます。

「ここは悲しそうに読んでみて」
と、リクエストしてみるのもよいですね。

小学校では音読がありますが、それまで読んでもらった経験が、読む力につながるのです。

リビングにぜひ、家族みんなの本棚を

家のリビングに本棚を置き、家族みんなの本がそこにあるとよいですね。
子どもは親が本を読む姿を見て、「大きくなったらその本を読みたい!」と思うかもしれません。
子ども用の“世界地図”や大人用の“国語辞典”も置きましょう。
テレビで外国のニュースが流れたら、どこにある国か探してみてください。

わからない言葉に出会ったら、調べましょう。
親子で自分自身の世界が広がる喜びを味わえるはずですよ。

 

イラスト/みさきゆい

 

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